国語力を伸ばす「音読」の効果

音読についてご質問をいただきましたので、改めて、私の考えをお話ししたいと思います。国語の先生で、音読を勧める方は多いと思いますが、必ずしもその目的が一致していないかもしれません。私の考える音読の目的は、「語彙や言葉の組合せを自分の中に蓄積する」ことです

 

■ 正しい音読がもたらす3つの効果

正しい音読を積み重ねると、以下の3つの効果が期待できます

① 助詞・助動詞の感覚が磨かれる(「てにをは」の不自然さに気づく)

② 話し言葉と書き言葉の使い分けができる

③ 読むスピードとアウトプットする力が上がる

 

特に「③ 読むスピードとアウトプットする力が上がる」効果は、時間との闘いになっている近年の中学受験において、大きな武器となるでしょう。速く正確に読み、理解した内容を自分の言葉で表現する力は、国語にとどまらず全教科の土台になります。

 

■ 効果を最大化する「大人との1対1」の原則

これらの効果を得るためには、「大人が聴きながら、子供が1人で音読する」のが最も近道です。大人が相槌でリズムを取りながら、読み間違いやおかしな点はその場で修正してあげるのが良い方法でしょう。

 

しかし、国語が苦手な子供ほど音読を嫌がりがちです。その場合は、文や段落、登場人物のセリフで交代する方法もあります。ただし、その場合であっても、必ず「大人と1対1」で取り組まなければなりません。集団授業のような大人数での音読では、中学受験で求められる国語力の向上は期待できないでしょう。

 

■ 国語ができる子供の「音読」

国語ができる子供の音読では、文章の中で自然と読み方が変わります。物語文では、登場人物の心情を汲み取り、セリフに感情を込めて読むことができます。論説文では、「抽象」の部分(筆者の主張となる部分)に差し掛かると、意図的にゆっくり読んだり、時には2回繰り返したりして、その内容を深く理解しようと努めます。

 

音読の様子に耳を傾けるだけで、その子がどれだけ深く文章と向き合えているかがわかるのです

「『中学受験の問題文が長すぎる!』問題①」をご参照ください。)