
恵泉女学園はプロテスタントのキリスト教校で、「考える恵泉」の教育方針の下、思考力・発信力の育成に力を入れています。個性を尊重する自由な校風は、女子学院・鷗友学園などが近いと言われます。2025年入試では、2月1日/2日の実質倍率がそれぞれ2.3倍/2.6倍に上昇し、SAPIX偏差値も47→49/42→45に急上昇するなど、人気と難易度を高めています。
恵泉の国語は試験時間が45分と短く、本文も短めです。上位校に見られる長い選択肢もなく、50字程度までの標準的な記述問題が複数あります。出題形式があまり変わらないので、受験生にとっては対策がしやすい学校でしょう。
ただし、物語文・論説文ともに内容は骨太です。2025年入試第1回の物語文は、宇佐見りんさんの『くるまの娘』でした。2023年に渋谷幕張の高校入試で出題されたもので、暴力的な父親と感情をコントロールできない母親をもつ女子高生が主人公、という重たい設定です。複雑な家庭環境にある登場人物の心情を読み取る「共感力」が求められるでしょう。
2025年入試第1回の論説文は、元村有希子さんの『カガク力を強くする!』でした。疑似科学を見抜く「批判的思考」がテーマとなっています。2021年の農大一中でまったく同じ箇所が出題されましたが、農大一中が長い選択肢問題のみだった一方、恵泉は短い選択肢問題と記述問題がミックスされ、特徴が表れています。
国語の入試問題は、単なる学力テストではなく、学校の教育理念との「対話」です。過去問演習から学校のメッセージを汲み取り、自分に合った学校か確かめましょう。恵泉は模範解答を公開しており親切ですが、記述問題の模範解答には大人でも書けないようなものもありますから、こだわりすぎないようにしてください。
(「記述問題は『話す』ことから始めよう」をご参照ください。)