SAPIX50%偏差値で夢が広がる?

SAPIXのサイトで50%偏差値が公表されるようになり、話題になっています。特に、80%偏差値との差が注目されており、「印象が変わる」「夢が広がる」と思われているそうです。2月1日入試で見ると、麻布で60-54=6・桜蔭で63-56=7と差が大きく、渋渋・広尾学園では1~2と差が小さくなっています。

 

差が大きい理由に、「実質倍率が低い」「SAPIX模試と傾向が違う」ことが挙げられていました。そうかもしれませんが、むしろ「2月1日のみ入試」と「複数回入試」の違いが大きいと思われます。2回目以降の入試で調整できる複数回入試校と異なり、2月1日のみ入試校では繰上げ合格も多く、偏差値の幅が下に広がるのでしょう。

 

加えて、受験生の偏差値が、秋のSAPIX模試の平均値であることに注意が必要です。実際は、2月1日までの努力で、受験生の立ち位置は大きく変わっています。50%偏差値が低めの学校では、実力下位の受験生にもチャンスがあるというより、秋以降に猛烈に追い上げ、追い越した受験生がいると考えるべきでしょう。

「6年生は偏差値からさよなら」をご参照ください。)

 

したがって、50%偏差値の受験生が周りと同じペースで勉強していたのでは、合格は厳しいと言わざるを得ません。前を行くライバルを追い抜くためには、大変な努力が必要となるからです。ラッキーチャンスを夢見て、勘違いしないように気をつけましょう。