過去問からわかること《獨協の場合》

獨協は、140年近い歴史と伝統を有する男子校で、男子の「成長曲線」に合わせた教育方針を掲げています。医者の子息が多く、獨協医科大学への推薦があるなど、医・歯・薬学部の志望者が多いことが特徴です。2科目の午後入試の人気が急上昇していますが、問題形式が異なり、進学者も少ないので、ここでは他の3回の入試で解説します。

 

獨協の国語は、一般的な50分で、漢字10問に、論説文と物語文(or随筆文)の大問が2題です。本文は他校比で短く、内容も小学生が理解しやすいと思います。選択肢問題は比較的易しいので、確実に得点するだけでなく、素早く解いて記述問題にかける時間を確保しましょう。ただし、「すべて」選ぶ、「あてはまらない」ものを選ぶ、といった「指示」を読み飛ばさないよう注意してください。

 

受験者・合格者の平均点が低く、60点が合格ラインであることから、3~4問ある記述問題で得点できていないのかもしれません。30字程度の短いものから、80字程度の長いものまでありますが、問うているポイントは難しくありません。模範解答では、指定の字数に合わせて言葉を補う工夫がされています。時間をかけて、得点できる答案に仕上げましょう。

 

ちなみに、2023年度第3回の論説文は、洗足学園の2022年度第1回とまったく同じ本文(AIと人間の共存がテーマ)でした。同じ傍線部2か所を、獨協は選択肢、洗足学園は記述としていたので、獨協の方が時間的な余裕があります。出題者が考えることは似てくるので、AIは論説文の頻出テーマになりそうです。