レベルの合わない問題に当たり続けるのは危険

東京都の中学受験率は2割に迫っていますが、中央区は特に顕著で、約1,200人の小学6年生のうち、約500人が私立・国立・都立に進学します。合格が叶わなかったケースや、途中で撤退したケースを含めると、中学受験を志した子供は5割に達するでしょう。

 

区立中学には、中学受験が残念な結果に終わった子供が一定数います。中には、自己肯定感が下がったり、自分を必要以上に卑下したりするので、本当に胸が痛みます。再び勉強に向かうために、心のケアから始めなければなりません。傷ついた子供は、自分の尊厳を守るために、挑戦することから逃げてしまいます

 

特に心配なのは、優秀層の多い塾で、例えば30点を取り続けた結果、自分を30点の人間だと思い込んでしまうことです。子供が見えている世界は、大人が思うよりずっと狭いです。勉強を続けていれば、実力は必ず伸びているのですから、決してそんな思いをさせてはいけません。

 

中学受験は「発達段階によるふるい分け」の側面があり、早熟な子供ほど難関校に合格しやすいです。学力や発達段階に比べて、難しすぎる問題に当たらせると、子供の心に大きな負担となり得ることを忘れないでください。早熟なことが、その後の成長に必ずしもプラスとは限りません。子供の成長曲線に合った教材・カリキュラムを選ぶことは、親の責任だと思います。